今日はコーヒー豆のお話。「コロンビア」についてです。この色です。
いきなりですが、弊店のブラジルの商品名は「ブラジル・パルプドナチュラル」というものです。これは生産処理方法の名前です。「エチオピア・イルガチェフェ」は地域の名前です。基本的に原料に区別して商品名をつけています。
コロンビアは「コロンビア・アロマティックロースト」という名前で販売しております。
これは、私が勝手に作った造語です。「アロマティック」は「ええ香り」で「ロースト」は「焙煎」です。
ええ香りの焙煎って、すごくざっくりとした名前ですよね。そんな私のセンスを責めるよりなぜこのような名前を付けたかを知っていただきたいです。
以前、ワインのフレーバーホイール(業界用語を体現化した図)に興味があり、見たことがあります。
フレーバーを「コーヒー」とあらわす、項目があるのですが「Burned」つまり「焦げた風味」の仲間に入っています。
ほかの業種の人、コーヒー界から外の人は「コーヒーっぽい=焦げたような」って認識だということがわかります。まぁ「コーヒー味」のお菓子などでめっちゃフルーティなのってあんまりありませんよね。
それは深く煎ることで得られる香味が支配的で、苦みやカラメル化したような甘味。いわゆる「焼いた」味ですね。
これがコーヒーの味??果たしてそうなのか??原料そのままの味を焼き味をつけずにキレイに表現したらどうか??焼きすぎて炭になったらどんなコーヒーも意味がないのではないか?
という声も少なくはありません。深煎りすることで個性が失われ、量販のコーヒーと変わらないような味になるのではないか?
いい意見です。ですが私の考えは少し違います。
私は「深煎りにすることで良くなるコーヒーもあると思います」というのと「深煎りでしか出ない味もあります」という意見です。
たとえが正確かわかりませんが、私は魚料理が好きなのですが、刺身のようにフレッシュで素材の味そのものを楽しむのも大好きなのですが、「煮つけ」のような料理でも素材の質が大事だと思います。煮つけも、だし汁に含まれる砂糖とアミノ酸のメイラード反応による深い甘さやコクが楽しめますが、肝要なのは魚本来の脂身の透明感や素材の甘さだと思っています。そこそこのグレードの魚で煮つけしてもそこそこの味ですよね。やはり大事なのは煮つけ方もですが「素材」だと思います。※料理人の方、間違ってたらスイマセン。
素材の味と調理による味とが重なり合うこと、その事が深煎りの魅力だと考えています。やはり脂身がいや、間違えました、標高が高く密度が高いものが向いていると感じております。
私は深煎コーヒーを作る際に条件のようなものを設定しました。
「焙煎により酸の角を落とす(キャラクターを無くすわけではないむしろ個性を感じるように)・柔らかで滑らかな質感・焙煎によりカラメル化した甘さ」
この3つを満たすものが条件でそれを実現しうるコーヒーは『コロンビア』だと感じています。
なぜか、、、最終的に言うと単純に好みですね。笑
そして何よりお客様のお声が一番です。
意外と深煎り好きなお客様多いです!証拠にブレンドに次いでシングルで一番人気が高いのはこの深煎り『アロマテック・コロンビア』です!
グアテマラやケニアやインドネシアなどユニークな物やさらに硬い豆のもの、様々深煎りに合うコーヒーはあります。
私が今使用している焙煎機「FujiRoyal Revoluton」は熱風式。いわゆるコンベクションで熱を加える焙煎機です。
対流熱を使用するためムラがなく味が柔らかく仕上がります。この焙煎機に決めた理由は「柔らかさ」にあります。
この焙煎機を選んで使用しているあたり私は柔らかいコーヒーが深煎りに関しては好きだということです。
そして深いといっても市販のコーヒーに比べれば少し浅い程度であると思うので、強い刺すような苦みはなくスイスイと飲み進めていけると思います。風が体を通り抜けた後のようにやさしい甘い余韻が残るのが目標です。
コロンビアはコーヒー大国。南部と北部では味がまるっきり違いますし、ハイブリットか在来種系の品種でもだいぶ違います。
今のコロンビアもおいしいけど、昔飲んだコロンビアのキレイで柔らかい感じないんよねー。と昔ながらのコーヒーファンは多くいらっしゃると思います。コーヒーらしい美味しさのど真ん中を目指しておつくりしたいと考えております。
たまに焙煎人同士で会話するのですが意外と「深煎は比較的、自然と焼いているよー」という方が多い印象ですが、私は深煎こそ段階を多く分けて少し複雑に焼いていると思います。(味は割と素直になるようにです。。)
さて、そんなコーヒーを実現するために原料の選定をしなくてはなりません。
って…話が長すぎましたね。。。今日はコロンビアのコーヒーが少し新しくなったよ!っていうお話だったのですが商品説明が長くなってしまいました。次回は昨年9月に行ったコロンビアの写真も含めながらゆっくり原料についてお話ししたいと思います。
一応下記が商品販売ページです!
それではまた!